10-11月の福島市個人積算線量通知➁
前記事「個人積算線量通知➀」の続き
前回の測定結果通知は2011年9月1ヵ月間の分でしたが、今回(1/19)継続して行われた10〜11月分の測定結果が公表されました。→福島市のHP
●福島市の全体発表
『個人線量計(ガラスバッジ)測定結果について
福島市では、子どもと妊娠中のかたへ個人線量計(ガラスバッジ)を配布し、9月から11月までの3カ月間、積算線量の測定を実施しました。このたび、個人線量計(ガラスバッジ)の測定結果がまとまりましたのでお知らせします。
なお、今回の結果については、福島市医師会の医師及び福島市放射能アドバイザー等で構成された「福島市健康管理検討委員会」からの見解をいただいております。』
上記に掲載されている「結果報告文書(PDF)」より
『1.対象者数・配布者数・回収数
1回目 2回目 3か月間測定者数
配布数 回収数 回収率 配布数 回収数 回収率
38,182 37,671 98.7% 38,153 36,804 96.5% 36,767
2.3か月間の測定結果数・割合
人数(人) 割合(%)
3か月間測定者数 36,767 100%
内訳累積値(ミリシーベルト)
0.1未満(X) 3,313 9.01%
0.1以上〜0.5未満 28,763 78.23%
0.5以上〜1.0未満 4,581 12.46%
1.0以上〜1.5未満 93 0.25%
1.5以上〜2.0未満 10 0.027%
2.0以上〜2.5未満 2 0.005%
2.5以上〜3.0未満 5 0.014% *最大値は2.7ミリシーベルト
3.1年間の線量の推計値(グラフ→PDF参照)
4.福島市健康管理検討委員会の見解
平成24年1月4日(水)に開催された福島市健康管理検討委員会において検証が行なわれ、 「今回の結果からは、将来、放射線によるがんの増加などの可能性は少ないと判断されます。」 との見解をいただきました。』
とのことでした。
測定値は、3ヵ月間の累積値として0.1ミリシーベルト単位でしか表されません。よって個人ごとの結果通知(前記参照)では0.1ミリシーベルト単位で通知されています。
しかし、市の全体発表では0.5ミリシーベルトごとの大雑把発表となっています。
しかも肝心な測定結果への分析は上記の如く「放射線によるがんの増加などの可能性は少ない」と素っ気ないものです。
もとより低レベル被曝の長期影響は確率的影響で、その確率値の上昇自体は少なく見える、という表現も可能なものです。知りたいのはもう少し詳細な予測でしょう。
また放射線の中長期影響は「がんの増加」に限られているものではありません。
チェルノブイリでもよく知られている甲状腺がんの増加以外に、不整脈や糖尿病、さまざまな身体機能の低下も報告されています。
加えて
・3月、4月はヨウ素131など寿命の短い放射能(核種)の影響もあり、ずっと高線量だったと推測されますが、その当時の個人個人の実測値はなく、今回の年間推計には反映されていません。
・政府が依拠する民間人の「安全基準」は年間1mSv(ICRP基準:一般人許容量=我慢値。自然放射能を除いた追加線量。上記測定値はすべて追加推計線量値)ですが、これは今回計測した外部被曝による放射線量に加え内部被曝も含めた総量のことです。一説には、水、呼気、食物由来の内部被曝を考慮すると外部被曝は全体の1割程度とする意見もあります。
厚生労働省は食品の放射能濃度基準値を現行暫定基準の5分の1として、食事から取り込む放射線量を年間5mSvから1mSvに低減することにしました。放射線量は足し算ですから、今回発表された外部被曝や食品由来・呼気由来などの内部被曝の線量を全部足さなければなりません。その上で年間1mSv未満としなければならないはずです。
・また今回も含めた全ての放射線量はガンマ線に限られています。ベータ線(ストロンチウム90など)、アルファ線(ウラン・プルトニウムなど)の測定はかなり困難とされています。外部被曝ならばガンマ線影響に限ってもかまわないようですが、内部被曝の場合はガンマ、ベータ、アルファ線順に被害が大きくなるという言います。
・以上の点を考えると今回の福島市発表の51.9%の1mSv未満の方々含め、ICRP基準値の一般人許容量を上回る可能性が大きいのです。
2012.01.26 | | 放射能






